亀井篤先輩に教えていただいた不器用な私のパイ修業、調理場の仁義

19歳でコック見習いになり1年過ぎた、スープ、ソース類の仕込みを任され、少しフランス料理が理解できるようになりました。
亀井篤先輩は恩師の弟です、私より1歳年上だが16歳よりコック修業を始めたので19歳コック見習いの私より5年先輩である。
恩師の父親は、満州鉄道ホテル帰りの凄腕の料理人だったと篤先輩に聞きました、急死し恩師がモンタニューを継いだそうです。
篤先輩は頭が良い、料理の技術も素晴らしくモンタニューで一番だった、恩師も一目置き私にとって神様のような存在でした。
船会社の接待睦クラブ(モンタニュー)の仕事は、毎日の外人の食事、接待、船の起工式、進水式、命名式のパーティー料理である。
ホテルからボーイを呼び厳格な儀式の後、盛大なパーティー料理が用意される、皆真剣に怖いくらいの緊張感でパーティーの準備をします。
篤先輩のパイ料理は、冷製のオードブルと温料理でテーブルを飾る、将来私もパイ料理を作りパーティーに出したいと思いました。
ホテルなどのパイ打ち台は大理石で冷房がある、睦クラブはステンレスの調理台で打ち冷房も無い、夏場はバターが溶け失敗が多い。
篤先輩は涼しくなった深夜に徹夜で黙々とパイ生地を打つ、私はコーヒーや夜食を用意して先輩の仕事を見学させていただいた。
何度も見ていると、洋次君もやって見ろと言われ私もパイ生地の練習をした、篤先輩は不器用な私に根気よく指導してくれました。
練りパイ生地は折パイ生地に比べ簡単であるが、小麦粉を練りバターを包み伸ばして3つ折り4つ折りを繰り返す折りパイは難しい。
篤先輩いわく大理石の打ち台で冷房の効いたパイ打ちルームなら楽さ、睦クラブで折りパイが打てれば大したものだよと言った。
山仕事していたんだ無理ないよ、鉞や大鋸で木を切っていたのだから、パイ棒や包丁は軽すぎるのさ、すぐ慣れるよと励ましていただいた。
篤先輩と10年間の思い出は多い、船上での仕事、ヤンチャなエピソード、42歳で世を去った若すぎる死に悲しみは尽きません。
最近はパイ生地を打つことも無い、先日妻がアップルパイを食べたいと言ったので作った、篤先輩のやさしい顔を想いだしながら。。

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